紙本 安田靫彦箱書 中央公論美術出版「良寛墨蹟大観第二巻」所載 中村岳陵旧蔵
24×10㎝ / 191×44㎝
生涯、清貧を貫き、飾らない人柄と純真で気高い生き様が人々に愛された僧、良寛。
本作は良寛の書のなかでも希少性の高い、楷書作品です。74年にわたる生涯のなかで数々の書を残しましたが、55歳以降は草書が圧倒的に多くなるため、本作は比較的若い時期の作品だと推察できます。良寛の人柄を表すような素朴で温かみのある線に、偏と旁のバランスが絶妙な緊張感を与えています。さらに、楷書独特の硬質で厳しさを感じさせる書風が混然一体となり、世俗を超越した良寛の高い精神世界に触れるようです。本作は中村岳陵の旧蔵品です。
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